甘くてちょっぴり刺激的な味。

とろけるキスはあたしの思考までもを溶かしていく。



「もっと口開けろよ?」

「そんな、出来ないよ……」


もう許してほしいと願ってしまうくらいに、さっきからあたしの唇を塞いで離してくれない千秋。

それなのにあたしは求めている。


あたしの中で“もっともっと”って欲が出る。

千秋の唇がまたピタリとくっついてあたしを堪能していく……。

そしてあたしのワンピースの肩紐をスルリと滑り落として……。



――バンッ!



「椎菜! いつまで寝てんの! 早く起きなさいよ!」

「ん〜……」


まだ完全に開いていない瞼をこすって重たい身体を起こす。


あれ……?