病室に夕陽が差していた

青年医師が回診にやってくると

ナースが伝えにきた



あれ以来彼はやはり私には

いつもの快活さのない

沈痛な表情でむかいあっていた

医師の責任と病院の責任

そして医師としての良心

その上に医療の敗北…

すべての交点に私がいるのだ

篤実な彼はこのトラブルの中で

医師としての挫折と悪夢を味わって

打ちのめされていることだろう



彼はもう私の目を見ない




ナースがベッドを立て

私は上半身を起こして

彼を待っていた

しばらくしてやってきた彼は

私のベッドサイドの

パイプ椅子に腰掛けた

その姿は

法廷に立たされた被告人のように

自責と諦めの中で

微かにうつむいていた