村を旅立ってから二日が経過した。

「見えてきたわ」

ティアが額に手をかざして遠くを見る。

彼女の目線の先には小さな港町。

そしてその向こう側には水平線が広がっていた。

「すげぇ!」

俺は思わず歓喜の声を上げる。

あれが…海か!

俺はきっと目を輝かせていたに違いない。

ずっと荒野のど真ん中にある村落で生活していた俺。

海を見るのは初めての事だった。