「それじゃ、乾杯っ」

村の大衆食堂。

お互いの誤解が解けた事で、俺とティアは意気投合していた。

ぐい飲みの茶を一気に飲み干す。

「じゃあコウの中国拳法は、指南書を見ながら独学で身につけたのね?」

「ああ」

俺は懐から指南書を取り出す。

もうかれこれ12年も読み込んだ指南書。

これに書かれている技は全て身につけた。

「ちょっと見せてくれる?」

指南書を手に取ったティアは、まじまじと表紙や中のページに目を通した。

「なかなかの古代遺産ね。鑑定士に売れば、金貨20万にはなる品物かも」