そう言うと、彼は語りはじめた。
「あの日、移動教室だったから君のクラスの前をたまたま通ったんだ。するとね、怒鳴り声が聞こえたんだ。金沢、お前はいつになったらその髪の色は黒く変色するんだ?目付きは女の子らしくなるんだ?ってさ。」
覚えてる。
と、いうよりは思い出したの方が正解かな。
あの日は身だしなみの検査があった。
もちろん良好の言葉は出るわけなくて。
でたのは、再検査。
当たり前。
だって金に近い茶色だもん。
化粧もピアスもしてたし。