番いの道を選んだからには、私はもう弱虫な自分とサヨナラするから・・・





「蘭ちゃん、本当にゴメンね!

一度ならず、二度までも貴方を…」


「えっ、そ、そんな!

事情でしたら、すべて拓海から聞いておりますし・・・

だから、理沙子さんが謝らないで下さい」


「でもね、私の気が晴れないのよ――!」


頭を深々と下げつつ、申し訳なさそうに謝罪をされてドギマギ。




激しい波に攫われていた夜が明けたトキ、拓海から齎されたのは・・・




乱気流事故は誤算だったけれど、理沙子さんは裏事情を知っていたというモノ。



そして桜井部長が日本に残っていたのも、調査の陣頭指揮を執っていたからで。




何も知らなかったのは、やはり私だけだったという事実だったのだ・・・




「もし私が、理沙子さんでしたら・・・

間違いなく、同じような行動を取ったと思います。

ですから、もう謝らないで下さいね?」


「蘭ちゃん…、もう貴方ってば、可愛すぎるー!」


「キャッ!!」


ウルウルと瞳を潤ませた彼女の甘い香りとともに、ギューッと抱き締められた。