「あかんわ」


「え?」


私は読んでいた雑誌から目を離してその声の主を見た。


「ぷよぷよ難しい」


「ふ〜ん」


「なんやぁ清水つめたぁ!」


「だってうちぷよぷよやんないもん」


そう言ってから私はまた雑誌に目を戻した。


「真子〜居る〜?」


「あ、里美」


「また保健室?先生も何か言ってくださいよ〜」


「ぼく、暇やし調度いい話相手やもん。授業はちゃんと出てるしええんやない?」


里美はもう、と言って私の腕を引っ張って立たせた。


「先生ゆるすぎ!真子、お昼になるといつも居なくなるんだもん。たまには私たちの話付き合いなよ〜」


「そうだね、ごめんごめん。じゃ〜ね〜勇気くん」


「お〜また明日〜」


「………本当ゆるいよね…」