ケータイ小説 野いちご

冒険物語

◆第一章 リコシェ
道標




真っ赤に焼けた夕日がアドレア海の水平線に沈む頃、タウとファイはトロッコ列車の乗り場にいた。

もちろん、アクアも一緒に。

まだ自分の力では飛べないらしく、ファイの膝の上で丸まっている。

仕事上がりの時間とあって、鉱山とリコシェの街を繋ぐトロッコ列車は鉱夫達の姿で溢れていた。

「お。タウじゃねーか」

「今からデートか?」

顔見知りの仲間達が楽しそうにファイの顔を覗き込んでいく。

「違うって」

その都度タウは眉をしかめ、フローターのアクセルを空回しさせた。

「じゃあ後でな」

ポペットが列車の窓から顔を出す。

「うん。荷物取りに……ぷ」

不意にファイが吹き出した。

ポペットは逆立ったまま戻らなくなった髪を見上げ、涼しい顔で目をつむっているアクアを睨みつけた。


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