吸血鬼の支配する世界、≪アフェンドラ≫

別名、神に見放された世界。

彼ら吸血鬼の餌とされえる脆弱な人間には地獄の世界。

彼らは糧となる人間の生き血を啜る以外に興味を持った人間を攫ってはそれらが苦痛に悶えるのを楽しむ性があるらしい。

不死身と言われる彼らに立ち向かう術もなく、人間に安寧の地はない。

だが、“紅き石”と呼ばれるものにはその吸血鬼を滅する力があるらしい。

“紅き石”

それは皮肉なことにも吸血鬼と人間の間に産まれた、禁忌とも呼べる子供の心臓のことだという。

吸血鬼は自分達を脅かすその存在を屠る為。
人間は命を守る為。

互いに“紅き石”を奪い合う。

その醜き縮図ですらも全ての世を創造した神の意図なのか。

誰も答えなど知らぬまま、アフェンドラの刻は今日も過ぎてゆく――――。