「ということで、明日から夏休みだ。

元気に過ごせよ、解散!!」



担任の声を聞いた生徒達が、一気に騒がしくなる。



「やった、玲!やっと夏休みだっ!!」



「あらあら、そんなにうれしそうにして。

やっぱ光里はお子ちゃまだね」



あたしの目の前にいる玲は、あたしの頭をグシャグシャを撫でてきた。

…あたし、お子ちゃまじゃないっ…!!


悔しい気持ちになりながらも、玲とのおしゃべりを続ける。



「というか、夏休みの予定決まってる?」



「今のところは、隆とデートしか決まってないかな?」



玲が幸せそうに微笑んだ。


隆とは、玲より二つ年上の彼氏さん。



「いいなあ…、彼氏いてさ。

あたしは部活漬けだよ」



「それもいいんじゃない?」



玲はそう言い残すと、カバンを持って帰っていった。



あたしはこれからまだ部活がある。

なんか憂鬱だなあ。


あたしも、夏休みに何かないかな…?



「おい、光里!!」



振り返ると、たっちゃんがあたしを手招きして呼んでいた。




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