部活が終わってから、俺は光里と一緒に帰った。


光里と一緒に居れることがこんなにも幸せだなんて、俺は改めて思い知らされた。



昨日、俺がムカついてた理由なんか、光里には死んでも言えねえ。


―――俺が青木に嫉妬してた、だなんて。



俺は溜め息をこぼすと、光里が心配そうに俺を見てきた。



「いっちゃん、

朝からそんなんだと、幸せ逃げちゃうよ?」



「そうだな、悪い」



一日っていうのは早い。

時は過ぎて、もう新しい朝を迎えているのだから。


今、俺は光里と一緒に登校している。

だけど、それも校門に近づくまで。


どうやら光里は、俺と一緒にいるところを見られたくないらしい。

その理由がよく分かんねえけど。



校門に近くなった所で光里と別れて、俺は速足で教室に向かった。

そして、教室のドアを開けた瞬間―――



―――ガラッ…



「河村君、これ受け取ってください!」



「かっこいいーっ!!」



「キャーっ!!」



たくさんの悲鳴に近い叫び声がした。

…なんだよ、これは。




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