ほんとにビックリしたあ!!
だって、あのいっちゃんが目の前にいるんだよ!?
しかもかっこよくなっちゃって……。
あたしなんか、何も変わってない……。
なんか、おこちゃまだな…。
「じゃ、依知くん。
今日からよろしくね」
「はい、おばさん」
お母さんはいっちゃんにそう言うと、家を出て行った。
たぶん、買い物に行くのだろう。
ふと、あたしは周りを見渡してみた。
あたしといっちゃんしかいない家は、物凄く静かだ。
そして、気付いた事がひとつ。
この家には、あたしといっちゃんの二人しかいないという事。
気まずくなったあたしは、話題を出した。
「そーいえばいっちゃんって何処に住むの?」
「教えて欲しい?」
「そりゃ、教えて欲しいよ!!」
そう言うと、いっちゃんはあたしに指を指してきた。
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