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「ふう……疲れた。」

そういうと、地面を割る勢いで腰を下ろした。

ここは、小さな広場で、中央には結構急で大きい丘と、でっかい大木があり、ここに出来る木陰は涼しく、気持ちいい。辺り一面は芝生で覆われており、横になると痛いが、寝るにはもってこいの条件の場所だ。

そんなにいいならみんな来るはずだって?
 いや、ここは俺の秘密の場所で、周りはマンションで囲まれていて、二年前から使っているのだが、未だ一人にしか見つかっていない。
 そして、学校が終わると毎日来ている。

家には俺の居場所がないから、日が沈み、影が闇に染まっていくまで、ただのんびりと時間を潰している。

「はあ。」

今日もだいたい、いつも通りだったな……。
いや。あの馬鹿教師がいつも以上に馬鹿だったな。

………。
「地獄。」

口にすると、またあの時の事を思いだし……。

「アハハハハハハ。」

馬鹿らしい。今度こっそり俺の家の電話番号と精神科の番号をすりかえとくか……。

そんな事を考えながら、痛いが気持ちいい芝生に横になり、涼しい木陰の中、ゆっくりと瞳を閉じた。



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