「お前が王子だな!白雪お姉ちゃんをいじめるなー!!」
 僕は恐怖よりも白雪お姉ちゃんを殴る王子への怒りの方が大きくて、王子を爪でひっかきまくってやった。僕ちっちゃいから届かなくて足くらいしかひっかけなかったけど…。
「ウゼーよ犬っころが!」
 王子にあっさりと僕は蹴り飛ばされてしまった。痛いよぉ…ぐすん。
「ポッケ!!」
「動くんじゃねえ!犬っころよりテメェの心配が先だろ?」
「あうっ…。」
 王子は白雪お姉ちゃんの腕を変な方向に曲げて押さえ付ける。ギリッと嫌な音…。
「ぐすん…くっそぉ…。」
『ポッケちゃん!』
 後ろから皆の声。振り向くと皆はうん、と頷いた。
「白雪お姉ちゃんを離せバカ王子ー!」
 まるちゃんの掛け声と共に僕達はいっせいに王子に飛び掛かって行った。