「ごめんね、祐樹くん。美音ちゃん、今は会えないらしいの」

「そう…っすか、」


あの日から




美音は一度も俺に会おうとしない



車椅子の向きを逆にさせ、美音の病室とは反対の方向へ向かう。


俺、何かしたっかな、
何か、言っちゃったか?



理由が分からないから謝れないし



どうしたら、いいか…わかんね。



でもあの時、泣いていた美音は崩れ落ちてしまいそうなほど脆い表情をしていた。



美音の瞳から溢れた雫には誰よりも悲しみが込められていた。