ずっとずっと独りこの鳥籠の中で外の世界に広がる自由を見てきた




もう、決して手にはいらないもの

もう、決して味わえないもの



だけど



白と黒でできた、あたしの世界に




小さな小さな亀裂が現れた。



「俺はこんなとこ、早く出てってやる!」


束縛を拒絶し、



「あの青空の下にすぐ戻る」


外の世界を夢見続け、



「おまえ、名前は?」


あたしの存在を知ろうとしたヒト





小さな亀裂はやがて広がり、

大きな穴となって、

すべてを変えてしまう。



    第一章 失われたツバサ