どこまでも広がる青い空。


空は綺麗、綺麗でいて残酷。




悠々と飛んでいる二羽の鳥を捕まえるかのように




少女は思い切り手を伸ばした。




当然、届く訳もなく力が抜けた手は行き場を失って、ぱたりと地面におろされる。





かつて、少女の空間だった空は、今はただ残酷に少女を見下ろす存在でしかなかった。



声にならない叫びの代わりに



少女は一筋の涙をこぼす。


自由を求めるように、
翼を欲するように、




最後の、最後の瞬間まで




飛び続けたいと願うように。






        【Last Wing】