「海里…本当はお前に真実を伝えるつもりはなかった…。

お前は理奈さんを愛しているのだとばかり思っていたからな…。

でも…お前は結婚を躊躇っている…。

もしかしてお前…美海を愛しているのか…?」


「…オレは…人を愛する気持ちが分かりませんでした。

でも今…一緒に歩んでいきたい…幸せにしたい…そう思える女性がいます。

一日中その人のことばかり考えて…彼女の幸せばかり願って…。

もう会えなくても、夢で会えるだけでオレは幸せなんです…」


「それが…美海か…?」


「はい」


オレの心は…美海だけなんだ。


「ふっ…海里…もう分かっているな?お前のその気持ちが…愛だ。

自分の幸せより、相手の幸せを願える…

お前も美海も…愛し合っているんだな…」


「…海斗さん……」


海斗さんの目からは、涙が次から次へと溢れていた。