―――――――――――――――

―――――――――――

――――――――

―――――




《杏っ―……!》




大好きな声に名前を呼ばれた。




けど、誰なのか分からない。




「…誰だっけ……?」




あたしは首を傾げる。




思い出そうとしても、分からない。




大切な人なんだろうけどなぁ〜…




すると、また声がする。



《帰って来てくれっ……!》



「どこに…?」



問い掛けても

答えてはくれない………




「本当に誰だっけ……?」



ポツンと一人


暗闇の中で考える。




周りには何もない。



風も、草や木も………何も。