ジュースを飲み終わる頃、陸があたしを迎えに来た。


「杏、行こうか?」


王子様スマイルであたしの手を引く。


「あのお姉様方はいいの?」


顔を引き攣りながら聞く。

「あぁ…いいの。あんな香水臭い奴らなんて」


「!?」

いいのか?そんなこと言って…


だけどあたしは後ろが怖いんだよっ!!


あんなにニコニコしてたお姉様方が、般若の如くあたしを睨んでる!!


「なにあの女!?」

小さいけどはっきり聞こえた。



怖いぃ〜〜〜〜〜!!!




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お姉様方からの視線から逃れてまた息をつく。


陸は慣れてるのか、疲れ一つ見せずに笑顔を振り撒く。