朱美の瞳に映るのは、『愛子』。


彼女は、どこか空虚な表情で視線を投げかける。

朱美に話す、その一言一言が重たく、息苦しさを齎す。



「今まで、押し殺してきた気持ちを、人前で暴露するのは…初めてだわ。」

最後にそう付け加えた。





「老い…ね。」


朱美は、同じく虚ろな瞳をしていた。




久々に会った友人と、人生論について語り合うなんて、どこか滑稽にすら感じた。



20年と少し生きただけの、あたし達二人が…