保健室で話し終えた時には、辺りは真っ暗になっていた。
保健室から見えるグラウンドも誰もいない。
もう皆、部活を終えて帰っちゃったんだ。
私も早く帰らないと……。
私は、阿川先生の肩を叩いた。
「ん?」
『帰るね』
「あぁ。気を付けて帰れよ」
『うん』
私が椅子から立ち上がった時、先生が私の肩を叩いた。
私は先生の方を見る。
「遅いから送って行くよ」
そう書かれたメモ帳を見せてきた。
えっ?
私は先生の顔を見た。
「外は暗いし、それに香月の親御さんに補習のことも話しておきたいし」
でも……。
体調が悪いわけでもないしのに、生徒である私が先生の車に乗っていいの?
誰かに見られたら……。