「学校とお仕事の両立は難しくない?」

1ヶ月間、あたしの取材をしてくれることになっているレポーターの香月さんがあたしに言う。

「そうでもないです。今は、学業優先だし映画の撮影以外ではCMやドラマでも単発のお仕事が多いから、お休みの日に撮影することが多いし」

「お友達はできた?」

「ハイ。ハロウィンパーティーに一緒に行こうと思って、今仮装の準備をしてるところです」

「楽しみね。ところで沙羅ちゃんももう13歳だけど、ボーイフレンドはいる?」

「あ・・・・・友達なら、いますよ」

なんとなく照れくさくて頭をかきながらそう答えると、香月さんがおかしそうに笑った。

「沙羅ちゃん、かわいいからこっちでももてるでしょ」

「そんなこと、ないです。ママのほうがもててるんですよ」

「へえ。そういえば、ハリー・ローランドさんと結婚されたときは日本でも大騒ぎだったもの。沙羅ちゃんは、2人のこと気付いてた?付き合ってたとき」

「それが、全然・・・・・。ママはいつもあたしについてくれてたし、撮影現場でも特に2人きりになってることもなかったから、ほんといつの間に?って感じでした」

「ママに聞いてみたことある?」

「はい。それが、ほとんどメールのやり取りだけだったらしくて。電話もたまにしてたけど、誰かに聞かれたりしたらいけないし、誰にもわからないようにするにはメールが一番いい方法だったって」

「へ~、それで結婚!聞いたときはどう思った?映画の中で自分の父親役やってる人が実際のお母さんと結婚するって、ちょっと不思議だよね」

「うん。かなりびっくりしたけど・・・・・。でも、ハリーは本当にいい人だったし、ママとならお似合いかなって。弟もハリーが大好きだったし」