「あっ!」

「どうしたの!?」

朝葉の声に2人同時に同じことを訊いた。

「ごめん……。用事があるのを忘れてた」

「用事って……、もしかして矢野くん?」

「うん……、まぁ……」

「朝葉を呼び出すとか、あいついい度胸だね」

友里子がふんっと鼻を鳴らすようにして言う。

昨晩、もうそろそろ寝ようと思ったころに和飛からメールがきて、今日の昼休みに音楽室に来るよう言われていた。

最近和飛のこと避けてるからなぁ……。

休み時間は絶対教室にいないし、昼休みもお昼食べてすぐどこかへ行くようにしている。

そしてとうとう今日、お呼び出しがきたというわけだ。