あたしは、携帯をお守りにぎゅっと握り、心を落ち着かせた。 




―――――ガシャン!





「あっ!!!」







携帯が! 






手を滑らせて落としちゃったの! 



やばいっ…







拾おうとしたとき、いきなり後ろから抱きつかれた。 







「きゃ」





もっと大きな声出せたはずなのに、出なかった。





「ゃめっ………て!」






振り払おうとしてカラダを揺さ振る。 







だけどそいつの力の方が強くて、あたしは道路で仰向けにされた。






田舎だから街頭なんかない―






逆にそれがこの態勢を誰にも見られなくてすんだけど、そのおかげで相手の顔が見れない―







「やめて!やめてよっ…んっ!…」