翌日は30℃を超える真夏日だった。

そんな中、あたしは一人で扇署に向かった。

たまっていた書類を片付けていたためで、それが思ったより手間取った。

時刻は午後3時になろうとしていた。

達郎はすでに扇署に着いてるはずだったが、そこに達郎の姿はなかった。

「酒井課長と一緒に扇町公園に向かいました」

応対した署員がそう教えてくれた。

「扇町公園?」

昨日『つむら屋』の二階から公園を眺める達郎の姿が浮かんだ。

「それ、どれぐらい前のことですか」

「1時間ぐらい前です」

1時間も?

「なぜ公園に行ったのですか」

「私もそこまでは…」

その時、携帯が鳴った。

達郎からだった。

「ああ、着いたかレミ」

「達郎あんた公園で何やってんの!?」

所轄の捜査課長と一緒に公園て。

「捜査だよ、捜査」

電話向こうの声は妙に誇らしげだ。

「それよりレミもこっちへ来るだろ?」