「魔王様」


アテナがどこからともなく現れた。


「神の娘が見つかりました。名は、サラ・カリノア。人間界では、葉桜結菜と名のっています」


「ほう。よくやった、アテナ。その娘は18を迎えたのか?」


「明日18になるようです。あと…、


娘の側には、大天使がおります」


魔王様の表情が急に険しくなった。


「では、明日にでも娘を拐いに行くぞ」


「仰せのままに」


アテナはその赤い瞳を静かに閉じた。