ドーナツ屋さんでのバイトにも慣れてきた頃。 あたしは毎日が楽しくて仕方なかった。 甘い匂いと可愛いドーナツに囲まれる空間は幸せで、接客も性に合っていた。 バイトのない日は信也先輩とデートしたり、愛美や加奈子と遊ぶ。 言い訳ができるから、夜まで家に帰らなくていいし。 ほんとに楽しくて充実した毎日に、あたしは浮かれていた。 期末テストなんてものもあったけど、なんとかなるだろうなんて変な自信で通過した。