何だか、今日は特別暑いみたい。ジリジリと太陽が私の肌の温度を上げていく。
太陽さん、昨日の復讐ですか?
暑い、暑い、暑い……。何度も『暑い』って言ってみたところで、ちっとも涼しくはならないけど、言ってないとやってらんない。

それに今日は、唯一涼しさをもたらしてくれる風さえない。風だけが私の見方だって思ってたのに。

作業をしようと下を向くと、汗が頬を伝って流れ落ちた。
私ってこんなに汗かくんだ!なんて、自分の体の新発見に驚いた。

暑いのは、体の表面だけじゃない。体の中に熱がこもって、発散しきれてないみたい。

それにしても、私、なにしようと思ってしゃがみ込んだんだっけ?
あれっ?ヤバい。暑さで思考が停止しちゃってる。ここはちょっと休憩とって、水分補給でもしないと。

「おばさん、ちょっと休憩させてもらいます!」

そう元気よく言って、立ち上がった。
つもりだった。私の体を支えるには2本の足では不安定で、よろめいてしまった。

「美優ちゃん、大丈夫?」

再びしゃがみ込んだ私に、おばさんが駆け寄る。

「大丈夫です。ただの、立ち眩み……。」

とは言ったものの、私はそのまま立ち上がることができなかった。視界がぼやけ、意識は遠のいていった。