ケータイ小説 野いちご

ぼくの 妹 姫

愛と欲





「お帰りなさい
お兄ちゃん」



家に帰ると蕾は笑顔でぼくを迎えてくれた。



居間に入るとキッチンから
いい匂いがして



ネクタイを緩めながら
キッチンに立つ蕾の背中に



「今夜はなに?」って訊いた



蕾は振り返らずに



「トマトソースのパスタ」



「ふーん、美味しそうだね」



蕾は ふふって笑って


「もう食べる?
それともお風呂入っちゃう?」



まるで ぼくの奥さんみたいだ
なんて不埒なことを


自分の妹―――――――
まだ中学生だぞ?


ぼくは変態か?



「ご飯、にしようかな」



蕾は食器棚から
パスタ皿を取って


「用意するから着替えてきて」



うーん。ますます………
いや考えるのはよそう



一緒に寝て

…………唇を重ねたあの夜から


ぼくは少しおかしい



それに今日は もっと大切な


大切なことを さりげなく
蕾から訊かなきゃ




ぼくは ほどいたネクタイを握り
自分の部屋に入った





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