「うぅん……眩しいきぅ。」

らっこ姫は眉間に皺を寄せて布団を被りました。

隣の部屋の付き人の飼育係のイビキがうるさくて眠れなかったのです。

「まだ暑いきぅ……。」

らっこ姫は嫌そうに太陽を見ました。

飼育係が起きそうにないので、シーツで影を作って、サングラスをかけると、またベッドに戻りました。

それでも隣の部屋からイビキが聞こえます。

姫は猛ダッシュして、飼育係の口にバターロールを詰めて戻って鏡を見ました。

「クマってる！クマってる！
白クマくんじゃないんだから！」

姫は海岸に降りると、ミネラルたっぷりのワカメを拾い、パックとアイマスクの代わりにして眠りました。

そして目覚めると、ワカメの跡だけしっかり白く、後は黒く日焼けしていて、そんな姫をカモメが見て笑って飛んでゆきました。