いろいろあって、落ち着いてきた頃に冬がやってきた。
冷たい風が体を刺激するから暖かいマフラーや温かい珈琲の価値観があがる季節。


後期の授業が終了し、そのまま彼女の元へ。
電車を待つ間、いつも決まって買うものがある。
微糖の缶珈琲だ。
甘味三・五パーセント、苦味三・五パーセント、酸味三パーセントと全てが中途半端。
でも、今の僕にはこれが一番合っている。
体つきは大人でも幼稚な行動は昔と変わらない。
それが微糖の缶珈琲にこだわる理由だと思う。


病室に着くと彼女が笑顔で迎えてくれた。
「今日も来てくれたんだね。ありがとう。」
喜びの中に孤独を感じた。
彼女の言葉に笑顔を返すと、こう伝えて来た。
「人は何のために生きているのかな?自殺する人は何を思って死ぬのかな?」
いつも一人で孤独と不安を抱えてベッドで休む彼女を救う事は出来ない。
こうして持論を交わす事によって孤独や不安を忘れさせてあげれるのならずっと傍に居てあげたいと思う。
たとえ、それが一時的な短い時間だとしても。