モーテルに着いてカウンターの男を一瞥する。

「1人追加だ」

 歩きながらカウンターにアメリカ紙幣を数枚置いた。

 雑にドアを開き部屋に入ると少年は怪訝な表情を浮かべる。

「もっといい部屋に泊ってるのかと思った」

「ここは馴染みのモーテルだ。安いしサービスもいい」

 冗談交じりに発する。

「お前はベッドを使え」

「ベリルさんは?」

「私はそこの角で寝る」

 ドアのすみを示した。

「僕、小さいから2人で寝られますよ」

「男と寝る趣味はない」