真昼は、ケンに連れて行かれた屋敷を後にし、数十分歩くと住宅街へ出た。

小さな町といってもいい位の静かな所だ。

電線の上には、有り得ない人間が腰掛け空を見上げている。

命の残影でしかない事を知って知らずか、この町のいたる所に自然な感じで、もう当たり前に見受けられた。

但しそれは真昼以外の人間には見えず、他の人間には違う風景が映っているのだ。