闇の中だっていうのに、

光がなかなか見えてこなかったのは

出口が巧妙に隠されていたからだった。

近づくと、岩が地面からせり出していて、

それが、いろいろな角度から

出口の明かりが見えるのを

拒んでいた。

ルカもここへ向かいながら、

ふっと消える光源に、

何度も驚かされた。

けれど、それは、

少し戻ると再び見えた。

そして、

向かう角度を変えると

消えなかったのだ。

出口は、ドアの形に、

くっきりと光の向こうへ

口を開けていた。

ルカは、何の迷いもなく、

そこを飛び出した。