『言ったでしょ?
君に見せたいモノがあるんだ。

…少しだけ時間いい?
自転車…乗ろ?』

─────トク……

───────トクン…

顔、近いって。
心臓の鼓動が僅かに早くなる。





……この人、やっぱり変わってる

何だろう。空気が違うというか…

…上手く表現出来ないけど……


───綺麗すぎるんだって。

心も体も。全て。

汚れなんて、一切ない。


  ───そう感じた。

「わ…分かったから…離して…」


ゆっくり、彼の手を振りほどき…

私はすぐ横にある
駐輪場に向かって歩き出す。


 「………いいの?」


「見せたいんでしょ?
どこ行く気なの?」


「秘密っ………!早く行こっ…」

リクは嬉しそうに声を弾ませ、

自転車のスタンドを外した。