ねぇ、
どうしてそんなに怒っているの?

君の涙をふいた、それだけなのに

何か
間違った事しちゃった?



乱暴に僕の袖を掴み、
ズンズンと前に進んでいく彼女。


「早く………」

彼女に急かされ、

足が縺れながらも
ようやく靴を脱ぐ事が出来………

部屋に入る。



6畳ほどの部屋。

勉強机には分厚い参考書が
広げてあり、伏せて置いてある。



白いベッドの枕元には沢山の
可愛いキャラクターの
ぬいぐるみ。


女の子の部屋だ。



でも、
部屋の外から大きい足音が
聞こえてくる。

この部屋に誰かがくる?

僕が部屋の入口のドア見ていると。





あんなにきびきびしていた

彼女の動きがピタリと止まる。


「悪いけど。
もう少しだけベランダにいて。」


───まただ。



彼女には・・・

やっぱり何か影がある。