ポロポロと。


次から次へと頬に伝う涙。その涙を見て、ズキンと痛む胸。


俺がつかんでいた、彼女の右手が震えていたことに初めて気づいた。


もしかしたら、昨日も笑って許してくれたけど俺にいきなり迫られて、怖かったのかもしれない。


「……俺のこと、怖い?」


かすれるような声で、優しく問いかけると、彼女はコクンと頷く。


「正直……焦ってた。俺だけに、やっと心を開いてくれたと思ったのに。二宮とはすんなり話ができてたから……ごめん」



謝っても、何も反応せずにただ俯いて泣いている彼女。