放課後のグランド。


焦りと、うまくいかない苛立ちを、ぶちまけるように、ボールを蹴りまくる俺。


その時、小学生の頃からずっと同じサッカー倶楽部に入っていた二年の永井先輩から声をかけられる。



「相馬目当ての女の子が今日もいっぱい見に来てるじゃん! 相変わらずのモテぶりだな」


先輩の視線の先を見ると、フェンス越しに芝生に座って、こちらを見ている数人の女の子。


俺はため息をついて、口を開く。


「……興味ないんで。好きな女の子が来てくれてたら、めちゃくちゃ嬉しいですけど」



苦笑いすると、永井先輩は意外そうな表情で俺を見てくる。