「うひゃーっ、遅刻しちゃうーっ」


今日は待ちに待った一学期最後の日。


せっかく明日から夏休みだっていうのに、寝坊したあたしは自転車のペダルを必死にこいでいる。


額に浮かぶ汗の粒が、風になびく短めの髪にさらわれていくつも後ろに飛んでいく。


「くうーっ、暑いよーっ」


夏服のセーラーに汗がにじむのを心配しながら、いつもの小さな公園の前を猛スピードで通り過ぎた。