夏休みも終わって、だんだん涼しくなってきた頃。


あたしはたまにモモの夢を見るようになっていた。


いつもチョコンと座ってしっぽを動かしながら、なにを話しかけても無言であたしを見ているモモだけど、せめて夢の中だけでも会いたい。


でも目が覚めるたびにモモがいないという現実に切なくもなる。


そんなあたしは毎晩、モモがいなくなってもそのままの真っ白い座布団にまだモモの面影を映し出していた。