「ドブス!」


そう言ってプイッと顔を反らした彼は、トコトコとあたしの部屋を出て行ってしまった。


「もう、そのドブスってやめてよね!」


一人取り残されたあたしはすでに姿の見えない彼にプリプリ怒って、むきゅっと下唇を突き出すと、ローテーブルに放置したオレンジジュースに手を伸ばした。


そしてどうせ誰もいないしと、お下品な音を立ててぬるくなったジュースをすする。


「……マズッ」