ケータイ小説 野いちご

君色の空

彼の気持ち

早苗が出て行った後の病室には、後味の悪さだけが残った。

こんな風に誰かに、自分の気持ちをさらけ出したのは、初めてだと思う。

それが早苗だということが、なぜか気に入らなくて。

彼女の香水の匂いが、微かに残る病室の空気が、よどんで見えて。

私はあわてて、窓を全開にした。

新緑の季節。

緑の深い、清々しい空気が、嫌な私の心を洗い流してくれるようだった。



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