本当に私のためだと言うのなら、高校を卒業するまではやめて欲しかった。

私が家を出るまでは、三人だけで生活していたかった。

あの時面と向かっては言えなかった、心の声。

お兄ちゃんが結婚すると決まった時から、私は高校に行くことを諦めたんだ。

私のために、お兄ちゃんの幸せを奪ってはいけない。

そう思うから、私は自分の夢も、やりたいことも諦めるしかないんだ。

今度は、お父さんやお兄ちゃんから、幸せを奪ってはいけないのだから…。

モモちゃんは、そんな私の気持ちを知るはずもなく、難しい顔をして見つめていた。