ケータイ小説 野いちご

君色の空

本当の私

「行ってきまぁーす」

誰にというわけでもなく、そう言って玄関へと向かった。

『いってらっしゃい』

という声を、期待していたわけではなかったけれど。

わざと明るく言ってみた時に限って、返事がないのは少し悲しい…。

静かすぎる廊下に別れを告げて、靴をはく。

今度は少し小さい声で、もう一度、『行ってきます』とつぶやいて、私は家を後にした。




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