その夜、一行は少し場所を移動して野宿する事になった。


そして翌朝、鳥がさえずっている中、エセルたちは昨日の事を話していた。


「それにしても昨日の大きな狼は一体なんだったのかしら」


エセルが一言つぶやく。


その言葉に反応したサスティンはこちらを見ながらゆっくりとした口調で言う。


「あれは“ストック”といってこの森のような暗い場所に生息している凶暴な獣だ。奴らは火に弱く、光を嫌い、闇を好む。夜は注意したほうがいい」


さすがサスティンだ。


まるで辞書のように色々な事を教えてくれる。


サスティンの言葉にエセルとフェリアはうなづいた。