――妖はすぐそこまで来ていた。


今まで女王は家臣に殺され、妖との直接対決はなかった。


――……今代こそ、決着を着けなければならない。


その為に、ローズはこの国に呼ばれたのだから…。


「ウィンランドの女王、ローズ、我、ここに見参する。汝が長は誰だ?」


「妖の長、ウラン。我ここに参る。」


どうやら、ウルフ族らしい、大男が前に進み出た。


「汝の目的は?何故女王の命を狙う?」


ローズの目は鋭かった。

「――…昔、この国の女王は我々を遠い異国に追いやった。その復讐だ。

……今まで何代も、女王は家臣によって殺されただろう?あれは妖の仮の姿だ。

しかし、汝は違う。自らの手で半数もの家臣を切ったそうでわないか。」