「え〜、短い時間だけど全力で
気合いいれてこーぜ!」


ステージ脇で軽く円陣を組み
テンションを上げてからステージに向かう。


ザワザワした話し声。
集められる視線。
心地よい緊張感。


それぞれ楽器を準備して客席を見た。

これから何が始まるんだって
そわそわした顔で椅子に座ってる新入生達。

希望いっぱい夢いっぱいって感じで
超初々しい。

俺らもあんなだったなあって
むず痒い気持ちが込み上げてくる。


ふうっと深く息を吐き
お互い目配せをして
ドラムのカウントが始まったら

自分の中の
すべてが変わっていくのを感じた。


大げさでバカみたいだけど
ステージに立って
こいつらとプレーしてる時だけ
自分を解放出来る気がするんだ――。