熱を計っている間になんとなく自分の部屋を見回した。

部屋の隅には見慣れないカバンと学ランがおいてある。

私しか住んでいない家に他の人の物があるのがすごく変な感じだ。


違和感になんとなく居心地の悪さを感じていると、体温計が鳴ったので取り出すと熱は38.1℃だった。

これならもう大丈夫だろう。


「熱計ったか?」

山岸君は手に銀色のボールを持って部屋に入ってきた。

「うん。もうだいぶ下がったよ。本当にありがとう」

「それ何回も聞いたよ」

そう言ってあの優しい笑顔を見せてくれた。