4月の最終日曜日。


人工芝がある私立の学校で、練習試合が行われることになった。


今年も大勢の1年生が入った。


たしか、20人だったかな。


これからこの子たちの名前も覚えないと。


「里穂ちゃん」


「なんですか?」


少し遠い学校だったから、みんなでバス移動することになっている。


そのバスに乗り込んで、通路をはさんで隣に座ってる沙穂先輩が私に話しかけて来た。


「名前覚える自信ある?」


「1年生ですか?」


「そう」


「頑張ります」


私は苦笑いを浮かべた。


「毎年多くてやんなっちゃう」